村上春樹著「1973年のピンボール」の風景(その2)
双子との生活
ここでは「僕」の現在の状況や初回に登場した双子との日常をイメージしていきます。
渋谷の翻訳事務所
「僕」と友人の共同経営者は「渋谷から南平台に向う坂道にあるマンションを借りて、翻訳を専門とする小さな事務所を開いて」いました。オープン当初、事務所には「スチールの机が3つと10冊ばかりの辞書、電話とバーボン・ウィスキーを半ダース」というシンプルな品々しかありませんでしたが2人は「実に大きな鉱脈をを掘り当てたことに」気づきます。数か月後には「驚くほどの量の依頼が僕たちのささやかな事務所に持ち込まれ・・エアコンと冷蔵庫とホーム・バー・セットを買った」とあります。下に引用させていただいたのは1970年代の渋谷駅の風景。どこかに同様の服装で颯爽と歩く24歳の「僕」の姿をイメージしてみます。
ペニーレインを口ずさむ事務員
仕事がレールにのった僕と共同経営者は「外語大の学生課で何人かの出来のよい学生を集めてもらい・・下訳をまかせる」ことにします。また「女の事務員をやとい、雑用や経理や連絡を任せ」ます。彼女は「ビジネススクールを出たばかりの足の長いよく気がつく女の子で、一日に20回もペニーレインを口ずさむことを別にすればこれといった欠点はなかった」とあります。下に引用させていただいたのはビートルズの「ペニーレイン」の動画です。ここでは女の子がこの曲を歌いながら「帳簿を整理したり・・・ゴキブリ取りを組み立てたり」している風景を想像してみます。
双子の好きな食べ物
「僕」は自分のアパートに戻ると「双子の入れてくれた美味しいコーヒーを飲みながら(カント著)純粋理性批判を何度も読み返した」という毎日。週の始めには必要なものを買うようにと双子にお金を渡しますが「食事に必要なもの以外はコーヒー・クリーム・ビスケットしか買わなかった」とあります。下に引用させていただいたのはブルボンのコーヒービスケットの写真。今も人気の商品です。ここではこの商品を美味しそうに食べる双子の姿をイメージしてみます。
双子との毎日
「僕」はまた、双子と一緒に「ロスト・ボールを捜しながらゴルフ・コースを夕方散歩したり、ベッドでふざけあったりして毎日を送っていた」とあります。下に引用させていただいたのはあるゴルフコースのお散歩中の写真です。女の子のいるあたりに双子の姿をおき、後ろで見守る「僕」の姿を想像してみます。
メインアトラクションは?
双子との遊びの「メインアトラクションは新聞解説」だったとのこと。「ヴェトナムが2つの部分にわかれて戦争をしていることを納得させるのに3日かかり、ニクソンがハノイを爆撃する理由を説明するのにあと4日かかった」とあります。下に引用させていただいたのは1970年代のベトナム戦争関連の新聞記事です。このような記事を読みながら毎日1時間、双子たちに我慢強くニュースを解説する「僕」の姿をイメージしてみます。
旅行の情報
ビートルズ文化博物館
事務員が登場する場面で「ペニーレイン」を取り上げましたがこの小説ではいくつかのビートルズ作品が出てきます。ここでは日本で唯一とされるビートルズ専門の博物館をご紹介します。場所は兵庫県の赤穂市。ビートルズのDVDの鑑賞や書籍、写真集などの閲覧ができる図書館のようなスポットです。200円の入場料で飲み物付きというリーズナブルな価格。楽しいイベントも実施していますので詳細は下の参考サイトなどでご確認ください。
【住所】兵庫県赤穂市加里屋2059
【メール】soy20088@gmail.com
【アクセス】JR播州赤穂駅より徒歩約10分
【参考サイト】https://ako-kankou.jp/sightseeing/ako-beatles.html