村上春樹著「羊を巡る冒険」の風景(その2)

1978年

時代は1978年に戻り、妻と別れた「僕」は耳専門の広告モデルと知り合い付き合うことになります。そして羊との物語も動き出します。

耳専門の広告モデル

「僕」が「耳専門の広告モデル」と知り合ったのは「ソフトウェア会社の下請け仕事」のときでした。ディレクターから彼女の耳が写った「大判のモノクロ写真を置いて、一週間のうちにこの写真につけるヘッドコピーーを三種類用意してくれ」と依頼を受けます酢。下に引用させていただいたのはピアスをつけた耳モデルの写真です。このような写真を見ながら「一週間、耳の写真だけを眺めて暮らした」僕の姿をイメージしてみます。

フランス料理店にて

「僕」は「耳専門の広告モデル」を食事に誘い「これまでに行ったことのある中でいちばん高級なフランス料理店に電話をかけてテーブルを予約した」とあります。「新しいシャツをおろし、時間をかけてネクタイを無選び、まだ二度しか袖を通していない上着をきた」という気合の入り方です。下に引用させていただいたのは「アピシウス」という有楽町にある高級フレンチの海亀スープの写真になります。「彼女はメニューを念入りに研究してから海亀のスープとグリーン・サラダを注文した」という場面を想像してみます。

オムレツとサンドイッチ

高級なお店よりも「酒を飲みながらバーでありあわせのものを食べる方が性にあってるんだ」という「僕」に対し、「耳のモデル」は「バーでいつもどんなものを食べるの?」と質問します。「オムレツとサンドイッチ」と答える「僕」に対し、「なぜ・・?」と質問する彼女。下に引用させていただいたのは六本木などにある「ル・パン・コティディアン」というカフェのオムレツとパンのセットです。この写真と「良いバーはうまいオムレツとサンドイッチを出すものなんだ」と回答する「僕」の日頃の夕食を重ね合わせてみます。

ファラ・フォーセットの鼻

「パテとあんこうの肝を皿にとり、ワインを一口飲んだ」後に「僕」は彼女の耳の形が「いつもある特定の感情を抱かせる」といいます。それに対し彼女は「ファラ・フォーセット・メジャーズの鼻を見るたびにくしゃみが出る人を知っているわよ」といいます。下に引用させていただいたのはそのファラ・フォーセットの写真です。テレビドラマ「チャーリーズ・エンジェル」や映画「キャノンボール」などにも出演した有名女優です。整った鼻が魅力的ですね。

食事中の音楽

料理のコースが終了して、「エスプレッソコーヒーが出たところで、僕は火をつけた。・・・・・天井のスピーカーからはモーツアルトのコンチェルトが」流れていました。下に引用させていただいたのはモーツァルトの「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」、「小さな夜の曲」という意味のディナーにもぴったりの曲です。彼女が耳を見せると(開放すると)「何人かの客が振り向いて、我々のテーブルを放心したように眺めていた。コーヒーを注ぎに来たウエイターは、うまくコーヒーが注げなかった」ほど「非現実的なまでに美しかった」とあります。ここでは彼女の耳を見て皆が沈黙し、この曲だけが流れる風景をイメージしてみます。

彼女と付き合い始めたある日、僕の家で2人でくつろいでいると彼女が唐突にこう言います。「ねえ、あと十分ばかりで大事な電話がかかってくるわよ。・・・羊のことよ。・・・・そして冒険が始まるの」。彼女の言った通り「少し後で枕もとの電話が」鳴ります。

旅行の情報

アピシウス

アピシウスは「耳専門の広告モデル」とデートをする場面で料理の写真を引用させていただいたフランス料理店です。名物の一つ「小笠原産母島の青海亀のコンソメスープ」の他、メニューには「鴨胸肉のロティ」や「黒ムツのポワレ」、「オマール海老のポシェ」などの豪華なメイン料理が並んでいます。ディナーなら3万円から4万円ほどランチなら1万から1万5千円ほどの価格帯です。下に引用させていただいたのはアピシウスの内観写真です。 「半月分の食費がとんでしまいそうだった」ほどの美味しい料理を食べながら会話をする僕と耳専門モデルとの姿をイメージしてみます。
【住所】東京都千代田区有楽町1-9-4蚕糸会館
【連絡先】03-3214-1361
【アクセス】有楽町駅から徒歩2分
【参考サイト】http://www.apicius.co.jp/

ル・パン・コティディアン

オムレツとサンドイッチが美味しいお店として写真を引用させていただいた「ル・パン・コティディアン」は全世界に支店を展開するベルギー生まれのベーカリーレストランです。小説中に出て来る「バー」の雰囲気とは少し違いますが美味しいオムレツとサンドイッチを食べられます。特にオムレツは「スモークサーモンオムレツ」や「マッシュルームオムレツ」、「ハム&グリエールチーズオムレツ」など種類も豊富です。ベルギービールやワインの種類も豊富なのでここで食事をすると「僕」の気分になれるかもしれません。
【住所】東京都港区赤坂9-7-3ミッドタウン・ウエストプラザ
【連絡先】050-5593-9884
【アクセス】六本木駅直結
【参考サイト】https://www.lepainquotidien.com/jp/ja/