村上春樹著「ダンス・ダンス・ダンス」の風景(その6)

五反田君との再会

中学校で同じクラスだった五反田君がキキと映画で共演していたことを知り、連絡をとります。五反田君と久しぶりの再会を果たし、キキの行方を聞き出そうとしますが・・・・・・

四度目の映画

五反田君の所属事務所にコンタクトを取った後、「僕」は渋谷の映画館で再び「片想い」を見ます。「僕は大体の時間を計算して映画館に入り、キキの出てくる時間をぼんやりと待ち受け、そのシーンに神経を集中した」とあります。

五反田君が扮する先生の家は「壁にはル・コルビジェの絵がかかっている。ベッドの枕元にはカティー・サークの瓶が置いてある。」という状態。訪ねてきた主人公の女の子が走り去るのを見て「どうしたっていうのよ?」とキキが物憂げに言います。下に引用させていただいたようなル・コルビジェの絵のある部屋をイメージし、その中に五反田君とキキの姿を置いてみましょう。

渋谷を散歩

映画館を出た僕は頭を整理するために渋谷の街を歩き回ります。「原宿まで歩き、そこから千駄ヶ谷を抜けて神宮球場に行き、青山通から墓地下に向かって歩き、根津美術館に向かい「フィガロ」の前を通って、それからまた紀ノ国屋まで行った。そして仁丹ビルの前を過ぎて渋谷に戻った。」とあります。

「ダンスダンスダンス」が出版されてから35年ほど経過しました。今では仁丹ビルはなくなり、紀ノ国屋もAO(アオ)という商業施設の地下で「紀ノ国屋インターナショナル」として営業中です。下に引用させていただいたのは1980年代の渋谷駅前の風景です。こちらに「僕」の姿をおき「渋谷に着いた時にはもう日は暮れていた。」という景色をイメージしてみます。

留守電には懐かしい声が…

「僕」が散歩から帰ると五反田君からの留守番電話が入っていました。「やあ、久しぶり」と。「早すぎもせず、遅すぎもせず、大きすぎもせず、小さすぎもせず、・・・完璧な声」とあります。折り返し電話をしますが五反田君も留守電になっていて帰ってくるのも待つことになります。

「電話を切って台所に行き、セロリを洗い細かく切ってマヨネーズをつけ、ビールを飲みながら齧っていると電話がかかってきた。」とあります。下に引用させていただいたような料理だったでしょうか?

五反田君とステーキハウスに

五反田君は電話で「僕」を食事に誘い、運転手付きのメルセデスで「僕」の家の前までやってきます。そして簡単な挨拶をすませた後に「分厚いステーキが食べたい。付き合ってくれるかな?」といいます。ステーキハウスではスコッチウイスキーの水割りを飲みながら近況を報告。双方とも一度結婚して離婚したという共通点があることが分かりました。

また、当日の昼に五反田君は歯医者の練習をやっていたと話してくれます。下に引用させていただいたのは五反田君と共演していた(設定の)中野良子さんの写真です。ここでは「僕が歯医者で中野良子が眼科医なんだ。・・・幼なじみなんだけど、なかなか上手くむすびつかなくて・・・・・・」というテレビドラマのシーンを想像してみましょう。

キキの情報は?

五反田君によると、キキは(五反田君が)高級コールガールを呼んだときに馴染みの子のかわりにやってきたとのこと。彼の推薦で一度だけ映画出演したが、その後の行方は分からないといいます。下に引用させていただいたのは人気ステーキハウスのランチの写真です。ここでは話の合間に分厚い肉をほおばる五反田君の姿を想像してみます。

食事の後に話が弾み「僕」は五反田君の家に立ち寄ります。そして、五反田君が呼んだ2人のコールガールと同窓会のようなリラックスした時間を過ごしますが・・・・・・

旅行の情報

ステーキハウス ハマ 六本木本店

六本木にある有名人からも人気のステーキ店です。「五反田君が連れていってくれたのは六本木のはずれの静かな一角にある」お店でしたが、こちらは駅から5分とアクセスしやすい立地にあります。創業50年以上の老舗で落ち着いた個室も備えています。

下に引用させていただいた写真のようにカウンターでシェフが目の前で焼いてくれる黒毛和牛や特撰松阪牛は絶品です。記念日などに五反田君になった気分で利用されてみてはいかがでしょうか。

住所:東京都港区六本木7丁目2-10
アクセス:日比谷線・六本木駅から徒歩約5分
関連サイト:https://tabelog.com/tokyo/A1307/A130701/13006994/

国立西洋美術館本館

「片想い」の中で五反田君の部屋にはル・コルビュジェの絵がかかっていますが、実はル・コルビュジェの本業は建築家で世界遺産にもなった「国立西洋美術館」を設計した人として有名です。鉄筋コンクリートを素材としたモダンなデザインが特徴で世界中に数多くの建築物を残しています。

以下に引用させていただいたように絵画の展示会も同美術館にて実施された実績があります。

紀ノ国屋インターナショナル

四回目の「片想い」を見た「僕」が渋谷を散策する場面で登場する「紀ノ国屋」は1953年に日本で初めてのスーパーマーケットを開業したお店です(下に写真を引用させていただきました)。一度移転をしましたが現在は「紀ノ国屋インターナショナル」として復活しています。

「馬鹿げた話だけど、ここの店のレタスがいちばん長持ちするのだ。」と「僕」が言っているように新鮮な野菜を入手できることでも評判です。ロングセラーのイギリスパンのほか、「インターナショナル」という名前の通りめずらしい海外の食材も販売されているので、近くにお出かけの際は立ち寄ってみてはいかがでしょうか。

住所:東京都港区北青山3-11-7AoビルB1F
アクセス:地下鉄・表参道駅から徒歩約1分
参考サイト:https://www.e-kinokuniya.com/store/KINOKUNIYA/international/