村上春樹著「1973年のピンボール」の風景(その6最終回)

再び鼠そしてスペースシップの行方

付き合う女性がいながらも虚しさを感じ続ける鼠。ピンボール台・スペースシップに取りつかれてしまった「僕」。小説内で行っているように「アーサー王と円卓の騎士」のような大団円が来るわけではありませんが少しずつ物語は動いていきます。

鼠の物語再び

彼女と会うことになっている金曜日がやってきますが鼠は車に乗りこみ「車の窓から肘をつきだしたままゆっくりと街をを巡って」みます。海岸の防波堤のわきに車を止めた鼠は「シートを倒して煙草をすった。・・・・両手を頭の後ろにまわし、目を閉じて彼女の部屋の様子を思い出そうとしてみた」とあります。下に引用させていただいたのは ベンシャーンの絵の写真です。「ベンシャーンの複製画が2枚。本棚にはたいした本はない。殆どは建設の専門書だ・・・」という彼女の部屋をイメージしてみることにします。

鼠の決心

なんども迷った後に鼠はある決心を持ってジェイズバーにやってきます。「夕方の6時、空いたばかりの店」鼠のほかには客はいません。「ビールが欲しいな」という鼠に対し「あたしが奢るよ」と答えるジェイ。下に引用させていただいたのは昨年ラグビーワールドカップの公式飲料にもなったハイネケンの写真です。小説では銘柄まではわかりませんがこの写真を借りて手前に鼠・奥にジェイの姿をイメージ。しんみりと話しをする2人の姿を想像してみます。何があったかは小説にてご確認くださいね。

スペースシップはスクラップ?

会社にスペースシップの捜索を依頼していたスペイン語講師から電話があり「行方がわかりました」とのこと。夕方5時に会うことになります。現地に向かうタクシーの中で「僕」はスペイン語講師から詳しい話を聞きます。「1971年2月3日廃棄処分・・・スクラップです。ゴールドフィンガーにあったようなやつですよ」と切り出します。下に引用させていただいたのはショーン・コネリー(ジェームズボンド役)が主演の人気スパイ映画「ゴールドフィンガー」のシーン写真です。右下がそのスクラップ風景でしょうか。「しかしあなたは・・・・」と不審に思って聞き返す「僕」。「スペースシップ」にどのような運命が待ち受けていたかは小説にてお楽しみください。

倉庫にピンボールが!

長時間タクシーに乗り、「あたりはまったくの暗闇」になります。「人家は進むにつれてまばらになり、ついには虫の声が地鳴りのように湧き起こる草原や林だけになった」とあります。スペイン語講師は「道路を500mばかりはずれた空き地のまん中」にタクシーを止めます。「ここはまだ東京ですか」と尋ねる「僕」にスペイン語講師は「もちろん、そうじゃないように見えますか?」と答えます。そして「金網に沿って300mばかり歩いてください。つきあたりに倉庫があります・・・あなたの探している台はそこにあります」とも。下に引用させていただいたのはその倉庫のようと投稿者の方もおっしゃっているピンボール置き場。小説によると倉庫の中に台は全部で78台もあったようです。そこで「スペースシップ」には会えたのでしょうか?下のような風景をイメージしながら小説を読んでいただければと思います。

再びラバーソウル

スペースシップにお別れを告げた「僕」の前にはまた新たなお別れが待っています。詳細はネタバレになるので避けますが最後に「僕」が聴きなおす「ラバーソウル」からの曲を引用してお別れにします。下に引用させていただいたのはA面4曲目に収録されている「Nowhere Man(ひとりぼっちのあいつ)」なる曲。ピンボールとの会話はどのような結末に?鼠とは出会えたのでしょうか?双子たちとの関係はどうなるのでしょうか?詳細は本文にてお楽しみください。

旅行の情報

日本ゲーム博物館

日本で最もレトロなピンボールコレクションが充実しているといわれるスポットです。残念ながら現在は休止中。2022年春にリニューアルオープンが予定されています。不定期に行われる企画展などに貴重なピンボールを貸し出していることもあるようです。詳細は下に引用させていただいたサイトなどをご覧ください。
【住所】愛知県内を予定
【参考サイト】http://www.one-more-time.jp/index.html